キャリアコンサルタントによる特定支出証明
- Tucksky
- 2023年7月1日
- 読了時間: 4分
特定支出控除とは、給与所得者が働くために使った経費(または経費の一部)が控除される制度です。所得によって、550,000円~1,950,000円で控除額が決まっています。

給与所得控除とは別の制度です。給与所得控除に加えて、特定支出控除額が上乗せされます。”控除”ですので、支払った金額の全てを賄えるわけではありませんが、節税とスキルアップが同時にできるお得な制度です。
特定支出控除に該当する経費
具体的には、以下のものが経費と認められます。
1. 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
2. 勤務する場所を離れて職務を遂行するための直接必要な旅行のために通常必要な支出(職務上の旅費)
3. 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
4. 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
5. 職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
6. 単身赴任などの場合で、その者の勤務地または居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
7. 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費) ・書籍や定期刊行物など、職務に関連するものを購入するもの(図書費) ・制服、事務服など、勤務場所において着用が必要とされる衣服の購入(衣服費) ・職務上関係ある者に対する接待、供応、贈答など(交際費)
給与所得控除額の2分の1の金額を超える経費の額が特定支出控除となるため、すべての費用が特定支出控除と認められるわけではありません。
特定支出控適用には必要書類を揃えて確定申告が必要
多くの給与所得者の方は、給与支払者が年末調整を行い、それにより所得税額が確定し、納税も完了するため、個々に確定申告を行う必要はありません。
しかし、特定支出控除を受ける場合には、別途、必要書類を揃えて確定申告をする必要があります。
特定支出控除を受けるために必要な書類
・特定支出に該当する費用の支払い証明(レシートや領収書)
・給与所得者の特定支出に関する明細書
・特定支出に関する証明書
・源泉徴収票
・確定申告書(オンラインの場合は不要)

研修費と資格取得費についてキャリアコンサルタントによる証明が可能
特定支出のうち、研修費、資格取得費についての証明ができる者として、キャリアコンサルタントが追加されました。
これまで、実務の内容を理解している勤務先が特定支出控除の証明をしていましたが、副業や転職を考えている場合など、勤務先に相談しづらいケースがあることを考慮し、勤務先と関係のない立場で関わりが持つことができるキャリアコンサルタントによる証明が導入されることとなりました。
この背景には、複業やリスキリングの推進といった、働く環境の変化があります。
積極的な職務に関連する学び・学び直しをサポート
このような変化の中で、個人が自分の興味や関心に合わせて新しいスキルを身につけることは、自身のキャリア形成だけでなく、ビジネス全体に良い効果をもたらします。
しかし、本来なら会社がお金を出してくれていた研修や、資格取得に個人がお金を出すとなると、少し考えてしまいます。
それを後押ししてくれるのがこの制度です。
これまでは、特定支出控除を申請する際に会社の証明が必要でしたが、令和5年度分より、キャリアコンサルタントが証明できるようになりました。
この新しい制度では、キャリアコンサルタントが提供する証明書を利用することで、証明の手続きが簡素化されます。また、会社に知られることなく申告することができます。
この制度は、教育訓練給付金を受給していない場合でも利用可能です。
ジョブカードを活用しましょう
この制度の利用にはジョブカードを作成のうえ、キャリアコンサルタントによるコンサルティングを受けることが義務付けられています。(ジョブカード作成のための面談を含む、キャリアコンサルティング費用も控除に含まれます。)
現在、ジョブカードはオンラインで作ることが可能です。
この機会にぜひ作ってみてください。
ジョブカードを作ることで、これまでのキャリアの棚卸、これから自分がどんな風に働きたいかを客観的に見ることができます。

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