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リスキリングってなに?

  • 執筆者の写真: Tucksky
    Tucksky
  • 2023年5月31日
  • 読了時間: 5分

リスキリングとは、幅広い定義では、自分自身のスキルや知識をアップデートし、現代社会に必要なスキルや知識を習得することを指します。


今回は、ご質問の多いリスキリングについて記事にまとめてみます。





変化する「仕事」

2013年、マイケル・オズボーンとカール・フライが発表した雇用の未来(Carl Benedikt Frey and Michael A. Osborne. THE FUTURE OF EMPLOYMENT)で、702種の仕事がそれぞれどの程度コンピュータ化の影響を受けるのかを試算し、10~20年後になくなる可能性が高い仕事とそうでない仕事を明示しました。

テレマーケターや保険事務員、写真処理技術者など、なくなる可能性が高い仕事は99%の確率でコンピュータがその仕事をすることができると試算されました。

2023年、雇用の未来が発表されて10年が経ちます。

実際にどの程度の仕事がコンピュータに置きかわっているのかを調べてみると、完全にコンピュータに置き換わり、雇用がゼロになった仕事はありません。しかし、多くの仕事でその仕事内容に変化がみられます。

ある会社では、経理事務員の人数を半減させ、新しい経理システムを導入しました。その結果、経理担当者以外でも経理処理ができる仕組みができました。

別の会社では、人の手と目で行っていた検品作業を自動化しました。それに伴い、検品に従事していた作業員は、機械オペレーターとして仕事をすることになりました。


いま従事している仕事が今後新しい形に変化するかもしれません。

いま従事している仕事が「タイピスト※」のようになくなるかもしれません。

※2015年国勢調査より削除。ワープロよりもパソコンを使う人が増えたことによってタイピストという仕事はなくなりました。

社会や技術は刻々と変化しています。

仕事に従事しながら新しいスキルを獲得することで、その変化に上手く対応することができます。





リスキリング・OJT・リカレント教育

これら3つは、混同されて使われることが多い言葉ですが、それぞれの目的が異なります。



リスキリングやOJTは業務に関するものなので、本来は事業者が行うものという認識でしたが、働き方の多様化の広がりとともに、事業者のみでなく、個人が実施者となることが増えています。実際に、企業研修だけでなく、個人が利用できるサービスも増えています。




リスキリングが進まない現状

その理由は大きく分けて次の3つだと感じています。


1.法整備が追い付いていない

例えば、技術的に車の自動運転は実現可能ですが、実際に運用するためには道路交通法を改正する必要があります。2023年4月1日に施行された改正道路交通法では、遠隔監視などの条件付きで特定自動運行が解禁されました。新しい何かを導入する際には、技術や知識と合わせて、法整備が必要となります。


2.当事者が必要性を感じていない

リスキリングはIT関連など、一部の企業が行うものと捉えている方は少なくありません。また、「長年これでやってきた」、「DXはまだまだ遠い未来のこと」、「新しい知識や技術の必要性を感じない」、など、当事者がリスキリングの必要性を感じていない現状もあります。


3.やり方が分からない

無料のものから有料のものまで、リスキリングサービスは日々増えていますが、自社(自分)にはどんなスキルが必要なのか、どのサービスを導入すれば分からず、リスキリングが進まないことがあります。また、今いる人材が持っているスキルによって、スキルを学習する方法を変える必要があり、導入のハードルが高いと感じることが多いようです。



人生100年時代のリスキリング

2019(令和元)年における我が国の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳です。今後、平均寿命はもっと長くなり、より長い人生を送ることになるでしょう。

そうなってくると、より長期のキャリアビジョンが求められるようになります。ここでのキャリアビジョンに組み込むものは仕事でのキャリアだけではありません。むしろ、仕事以外に何をするかが重要となると私は予測しています。

人生が長くなれば、その間に数多くの変化が生まれます。新しい技術や仕事の形態が出現し、あなたがやりたい仕事も変わるかもしれません。

そんなときに、自分のやりたいことを実現させる手段の一つがリスキリングです。

リスキリングは、人生100年時代におけるキャリアの柔軟性を高める重要な要素でもあります。リスキリングを行うことで、変化する労働市場に対応し、キャリアを長期的に発展させることができます。


リスキリングの進め方

企業や個人の目的を明確にし、リスキリングを通じて、その目的達成に必要なスキルを習得することが大切です。

企業では、トレーニングプログラムや教育制度を整備することで、リスキリングをスムーズに進めることができます。

個人の場合は、自身のスキルの棚卸し、自身のやりたいことや適正を見極め、自分にあったプログラムへ参加するのが良いでしょう。

リスキリングは一人で行うこともできますが、効果的なリスキリングにはコーチングやトレーニング、そしてメンターなどの外部の支援を受けることが重要です。コーチングやトレーニングは、自己分析や目標設定、スキル習得などのサポートを提供し、自己成長を促します。


リスキリングは、新しい技術や業界の動向に対応するために必要であり、自己成長を促進してくれるものです。

できるところから気軽に取り入れてみてください。




参考文献

 e-ヘルスネット均寿命と健康寿命

内閣府 平均寿命の推移https://www8.cao.go.jp/kourei/kou-kei/24forum/pdf/tokyo-s3-2.pdf

    ©2008-2024  タックスカイ株式会社

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